熱還元と糖還元
イオンシルバーを超える最初の改良が、熱還元型タイプのコロイダルシルバーです。これは酸化銀が熱と酸素のない状態で金属銀ナノ粒子に還元されることを利用したものです。実際の製造工程で作ることもでき、製造後にイオンシルバーの全部または大部分がコロイダルシルバーになるまで加熱することで作ることもできます。イオンが銀ナノ粒子に還元されると黄金色に変わる為、その過程を見るのは容易です。
そこで単糖類であるグルコースやフルクトースをアルカリ性(pH7以上)の溶液に入れると、より少ないエネルギーで同じ結果が得られ、より安価な製品ができることがわかりました。また糖類を使うことで還元過程が完全に行われ、その状態を長く維持することができます。コロイダルシルバー製造に使う糖類は、グルコースまたはフルクトースを蒸留水に溶かしたものです。代用品として転化糖シロップでも同じことができ、スーパーで簡単に購入することができます(Caroやゴールデンシロップ等)。
熱還元されたCSはほとんどの場合、わずかに金属味がします。これは銀イオンが残っていることを示します。条件によっては熱還元したコロイダルシルバーが酸化しより淡い溶液に戻ることがあり、これは部分的に銀イオンに戻ったことを示します。これは色の変化がなくなるまで加熱することで、ほとんどすべてのケースで回避することができます。
本当のコロイダルシルバーの製造の基本は銀イオンの製造と同じですが、製造中にあるいは製造後にマイクロ波で、熱または糖でイオン成分銀粒子に還元します。
糖を減らしたコロイダルシルバーを作るには、加熱しながら作ったコロイダルシルバーに『カロ』や『ゴールデンシロップ』を1滴加えます。1モルのブドウ糖や果糖を作り数滴加えても良いですが、カロ等の転化糖シロップの方が効果的です。シロップはお湯を沸かした後に(ホットプレートがない場合)電流を流す直前に最初に加えてもいいし、逆にコロイダルシルバーを冷ましている間に最後に加えてもいいです。糖の電気分解を行わないため、作成後に還元する方が若干良いとされていますが、どちらの方法も非常に効果的です。
熱還元のコロイダルシルバーの場合は、銀イオンを冷やしておき電子レンジで加熱する方法もあります。糖還元のコロイダルシルバーの場合はシロップを一滴垂らして加熱という方法です。作成中に加熱することで攪拌がうまくいき、工程がきれいに仕上がります。
糖化されたコロイダルシルバーは万能です。コロイダルシルバーは、あらゆる用途に使用できます。糖の分子は十分に小さく、シナモン還元のように銀粒子をキャップしないので、熱還元または糖還元は傷や外部すり傷の治療により適しているかもしれません。